日常と非日常

動物園の動物たちは、観ている僕らを檻の中で何を思っているんだろうか?食事も排便も晒されている動物たちの心の奥深くでは、僕らを殺したい程に憎んではしないだろうか?

 

今日、家族で映画『 ジュラシック・ワールド 炎の王国 』を観た。シリーズ全作品の中で一番面白く、一番変化があった作品になっていると思った。僕がジュラシック・パークを始めて観たのは、中学三年生の時で、動いている恐竜に映画館でドキドキしていた事を覚えている。

 

とはいえ、シリーズ化されてく中で、そのドキドキは薄れてしまっていた。「 どうせ、めでめでたしだろうなぁ〜 」と。

 

恐竜のクローン化に成功して、保護という名の捕獲をただ繰り返している、パニック映画になっていた。ただ今回は、6歳の次男が帰り際に「 ホラー映画やん、これ 」と言った。確かに後半はホラー映画そのものだった。

 

今まで人間に監視される側にあった恐竜たちが、人間を監視する側になるシーンがある。主人公たちが身を隠す為に電気を消すが、それを知らない役者が自ら電気を戻す。知らない間に主人公たちは檻の中にいて、恐竜が外から観ている。立場が逆転するそれは、動物園の動物たちを思いだせる。もっと怖いシーンはラストにあって、次のシリーズは全く予想がつかない。

 

日常と非日常の境目、現実とSFの違いがなくなり、否が応でも、それに対応しなければ生き残れないように思える。まだ選べる僕らはマシかも。

 

映画の半券でゲームセンターがサービスになる。UFOキャッチャーで『 世界のカブト虫 』が虫かご付きで無造作に並べてある。その周りに親子連れが指を指して喜んでいる。僕は、それを観てゾッとした。