あたたかい布団

タイトルを『 あたたかい布団 』とつけてしまうと

 

「 こんな寒い夜に、あたたかい布団で眠れる。なんて幸せなことなんだろう。あぁ、明日もきっと素敵な1日になるはずさ!明日が待ちきれないよ! 」と、

 

あなたは、僕がそう書くと勘付いていると想う。

 

一字一句間違いない。そう、そうやって書く予定だった。あなたはエスパーですか?

 

だったら、違う意味の『 あたたかい布団 』を書きたい。

 

結婚したら幸せになりたいとか、幸せにするとか、仕事で成功したら幸せになれるとか、お金持ちになったら幸せになれるとか、誰だって、そんな気持ちはあると想う。僕だって子どもが生まれる前は、そうだったし、そうなれるように努力してきたつもりだった。

 

ちょっと今は違う。

 

子どもたちが、すやすや寝息をたてて眠ってる姿を見ると、幸せの意味なんて、どうでも良く感じる。何事もなく一日が終わることが、どれだけ心が安らぐことかを知った。

 

幸せ探しは、なんというか、宇宙に打ち上げられたボイジャー号に似ている。素敵な発見はあるだろうけど、打ち上げられる前に、支えてくれた人に目を向けると、幸せ探しなんかしなくてもいいのに、、、

 

いや、違うな。そんなことが言いたいじゃない。もう、すでに生きてるだけで幸せなんだよ、と能天気に身勝手に都合よく素直に、そう感じている。

 

あぁ、だから、こんな寒い夜に、あたたかい布団で眠れる。なんて幸せなことなんだろう。あぁ、明日もきっと素敵な1日になるはずさ!明日が待ちきれないよ!

 

あれ?結局、始めと一緒じゃん?

 

あたたかい布団、そこにまとわり付く、埃やダニやヨダレの染みさえ今は、愛しい。