コインランドリー

コインランドリーほど、気まずい密室はない。雨降りや洗濯物が溜まってしまった時、近所のコインランドリーを利用する。何人かがいれば、問題はないけど、女性と2人きりの状態が、これまた気まずい。

 

一番気まずいパターンは、女性が乾燥し終わった洗濯物を畳んでる時、僕がコインランドリーに入ってきたパターンだ。その瞬間、コインランドリーの空気がピリッとする「 この男は変質者かもしれない 」と。女性は僕を見てないフリをするが、洗濯物を畳むスピードを徐々に上げていく。「 私のセクシーな赤の下着を取られるかもしれないわ 」と監視カメラの場所を再度確認してる。

 

ひどい話だ。僕は朝から家族の洗濯をしに来ただけなんだと言いたい。軽く挨拶をしたら、変質者じゃないと認めてくれるかもしれない。「 暑いが続きますねぇ 」とか「 今日の僕のラッキーカラーは、あなたの下着と同じ赤なんですよ 」とか、、、違うな、これは違う。

 

なんなら映画『 インビジブル 』のケビン・ベーコンみたいに、透明人間になりきればいいかもしれない。でも洗濯物どうしよう?洗濯しに来てるのに、なんでこんなに気を使わなくちゃいけないんだ。よく考えたら、その映画じゃケビン・ベーコンは犯罪者になるじゃないか。

 

ちょっと待てよ、と僕は想う。そのセクシーな赤の下着を畳んでいる女性は、僕にしか見えていない幽霊だとしたら、そこまでは深く考えなくていいかもしれない。

 

いずれにせよ、近所に女性専用のコインランドリーがあったらいいなぁ〜と、時々思います。