正義も悪も

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「 お父さん、バットマンもスーパーマンもヒーローなのになんで互いに戦わないといけないの? 」と8才の長男は絵を描きながら僕に言う。

 

互いになんか気にくわないんだよ、なんか、と言えたなら、簡単だけどそうもいかない。気にくわないだけで、戦ってばかりしたら身がもたないし、進歩もない。

 

「 考え方の違いじゃないかな 」と僕は言う。はぁ、と長男は理解できなさそうに言う。

 

バットマンにはバットマンの正義があって、スーパーマンにはスーパーマンの正義がある。バットマンの正義を仮に正義Aとして、スーパーマンの正義を仮に正義Bとすると 」と言いながら、オモチャのバットマンとスーパーマンの前に『 正義A 』のカード、『 正義B 』のカードを置く。

 

互いのカードを2㎝重ねる。そのカードを指差して「 この2㎝が大事なんだよ。互いに2㎝ずつ歩み寄るわけ。そっか、こんな考え方もありかもしれない、と受け止めることが大事じゃないかな 」と僕は我ながら、天才的な回答だわと思いながら言う。

 

「 歩み寄りが大事なんだね 」と長男は言う。

 

「 少なくとも、自分の正義を押し付けるのは正義じゃないとお父さんは思うよ 」と僕は言う。

 

で、お小遣いのことなんだけど、と長男は僕に言う。お父さんも歩み寄ってくれるよねと、言わなくても顔がそう言っている。

 

やれやれ。